統合失調症の陰性症状とは?原因や日常の過ごし方・治療方法まで解説!
記事の目次
- 1統合失調症とは
- 1.1「陽性症状」と「陰性症状」
- 1.2統合失調症の陰性症状がみられる原因
- 2統合失調症の陰性症状の主な症状
- 2.1喜怒哀楽が乏しくなる
- 2.2人と関わらなくなる
- 2.3気力や意欲がわかなくなる
- 2.4集中力が低下する
- 3統合失調症の発症から回復までの過程
- 3.1前兆期
- 3.2急性期
- 3.3消耗期
- 4統合失調症の方の治療方法
- 4.1精神療法
- 4.2リハビリテーション
- 4.3薬物療法
- 5統合失調症の陰性症状がある方の日常生活での注意点
- 5.1自分の限界を理解し無理をしない
- 5.2リラックスできる時間や空間をつくる
- 5.3自己診断で薬の服用をやめない
- 5.4主治医や家族との意思疎通を図り信頼関係を築く
- 6統合失調症の陰性症状は医師や専門家のサポートを得よう
統合失調症と聞くと、多くの方は幻聴や妄想などの陽性症状を想像するかもしれません。
陰性症状は、陽性症状に比べて理解されないことも多く「なまけている」と、誤解されてしまう場合もあります。
しかし、陰性症状も統合失調症の一部分であり、診断にも影響するため、理解しておく必要があるのです。
この記事では、統合失調症の陰性症状に焦点を当て、日常生活にどのような影響を与えるのかお伝えします。
また、発症から回復に至るまでの過程や治療方法についても詳しく解説するため、ぜひご覧ください。
統合失調症とは
統合失調症は精神疾患の一つであり、現実の認識が歪み、思考や感情、行動に深刻な影響を及ぼします。
この病気の症状は「陽性症状」と「陰性症状」の2つに分けられ、それぞれ異なる症状が現れます。
陽性症状と陰性症状が1ヵ月以上続き、仕事や日常生活に支障をきたしている場合は「統合失調症」と診断される可能性が高いです。
「陽性症状」と「陰性症状」
陽性症状には、幻聴や妄想、散漫な思考などが含まれます。
具体的には、実際には聞こえない声や音が聞こえたり、考えがうまくまとまらなかったりします。
一方、陰性症状は感情が乏しくなったり、意欲や気力が低下し、身だしなみに対して無頓着になったり、外出や人との関わりを避けたりします。
陰性症状は、陽性症状よりも目立たない傾向にあります。
しかし、患者さんの社会復帰やQOL(日常生活の質)の低下に大きく影響するため、専門医による診断・治療やサポートが必要です。
また、陰性症状の注意点として、周囲の人からの理解が得られにくい側面もあります。
症状として認識されず「なまけている」「やる気がない」など、心ない言葉を投げかけられる場合もあるかもしれません。
統合失調症の陰性症状がみられる原因
統合失調症の陰性症状がみられ
しかし一説によると、 ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスが崩れることが、陰性症状の一因とされています。
脳内の神経伝達物質が過剰になると陽性症状が現れ、 低下する と陰性症状が現れるといわれています。
さらに、 ストレスなどの環境要因 や 遺 伝的要 素 も陰性症状の発症に関わっている可能性があります。
治療においては 、こ れらの 原因に対応した薬物療法や心理社会的支援が重要となり、患者さん一人ひとりの状態に合わせたアプローチが必要です。
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統合失調症の陰性症状の主な症状
統合失調症の陰性症状として、以下の症状が挙げられます。
- 感情が乏しくなる
- 人との関わりを避ける
- 気力・意欲がわかない
- 集中力が低下する
上記の症状は、妄想や幻聴といった陽性症状と比べるとあまり目立たないかもしれません。
しかし、これらもれっきとした統合失調症の症状であることを理解しておきましょう。
詳しい症状については、以下より解説します。
喜怒哀楽が乏しくなる
統合失調症の陰性症状の一つとして、喜怒哀楽の表出が乏しくなることがあります。
これは「感情の鈍麻・平板化」と呼ばれ、患者さんが喜びや悲しみといった感情を外に表すことが難しくなるでしょう。
ご家族や友人との会話でも、感情の起伏が少なく、表情に乏しいため、コミュニケーションが困難になることがあります。
周囲の方が本人と接するときの注意点として、たとえ本人がそっけない反応をしたとしても「わざとではない」ということを理解しておく必要があります。
人と関わらなくなる
人との交流を避け、自室に引きこもるのも陰性症状の一つです。
患者さんが他人と関わることに消極的になり、孤立してしまうことがあります。
また、特に何かに没頭することなく、何もせずにぼんやりと過ごしている場合が多いため、社会性が低下します。
気力や意欲がわかなくなる
統合失調症の陰性症状では、仕事や勉強、趣味、日々のルーティンに対する関心が薄れていく場合もあります。
この症状は「意欲の減退」と呼ばれ、日常生活におけるさまざまな活動に対する興味や意欲が失われ、何をするにも気力が湧かなくなるでしょう。
人によっては身だしなみにも気を遣わなくなり、入浴や洗面を避け、常に同じ服を着る方もいます。
集中力が低下する
陰性症状には、集中力の低下も含まれます。
集中力が低下すると、注意力が散漫になり、物事を成し遂げることが難しくなるでしょう。
陰性症状は仕事や勉強、日常のタスクを遂行するうえでの障害となります。
また、集中力が低下すると、人とのコミュニケーションも難しくなる場合もあります。
相手の話を聴き続け、話の内容をつかむのが困難になるため、会話のキャッチボールが続かないかもしれません。
統合失調症の発症から回復までの過程
統合失調症の発症から回復までの過程は、前兆期、急性期、消耗期という3つの段階に分けられます。
傾向として、急性期に陽性症状、消耗期には陰性症状が濃く現れやすいです。
統合失調症の診断は、症状の時間経過を見る必要があります。
つまり、陽性症状が出やすい急性期のみを見て「統合失調症」と診断するのは難しい場合もあるのです。
それぞれの段階に関しては、以下で解説します。
前兆期
前兆期とは、統合失調症が発症する前の段階です。
日常生活において、以下のような変化が見られます。
- 夜眠れなくなる
- 物音に敏感になる
- 焦りや不安を感じる
- 気分が変わりやすくなる
- 集中力が低下する
前兆期の注意点として「何かおかしい」「最近体調が悪い」と思ったら、早めの対策が必要です。
上記の症状は本人や周囲の人からすると、はっきりとした病気と認識されにくいでしょう。
しかし、これらの症状が統合失調症へと進行する可能性があるため、早めのメンタルケアが必要です。
急性期
急性期に入ると、陽性症状がはっきりと現れます。
幻聴や妄想といった症状や、周囲の人から見ても理解しがたい言動が見られる場合が多いです。
例えば「誰かから監視されている」「ニュース番組で自分が事件の容疑者として取り上げられている」「あの人が自分の悪口を言っている」といった感覚に襲われるでしょう。
このような幻聴や妄想は、本人からすると「事実」として起こっている出来事です。
しかし、周りの人から理解されず、否定されることによって不信感がつのり、不安や緊張感を強く感じるでしょう。
消耗期
急性期の症状がある程度落ち着いたあとは、消耗期の段階に入ります。
この段階では、妄想や幻聴などが減る一方で、陰性症状が現れやすいです。
消耗期に入る原因として、急性期に心身のエネルギーを使いすぎたからと考えられています。
したがって、十分に休息を取り、服薬を続けることが重要です。
消耗期における陰性症状の管理は、患者さんの生活の質を大きく左右するため、継続的な治療とサポートが求められます。
統合失調症の方の治療方法
統合失調症の治療は、主に以下の方法を併用して行われます。
- 精神療法
- リハビリテーション
- 薬物療法
統合失調症の症状を抑えるには、薬の服用が欠かせません。
とはいえ、症状自体は薬で抑えられるものの、対人スキルやストレス対処法など、社会的機能に関しては、リハビリテーションで補う必要があるのです。
ここからは、統合失調症の治療方法について詳しく解説します。
精神療法
精神療法は、患者さんと医師、または患者さん同士が対話を通じて、症状の改善をめざす治療法です。
代表的な精神療法として、以下の3つがあります。
- 支持的精神療法
- 認知行動療法
- 集団精神療法
支持的精神療法では、統合失調症の患者さんが医師との対話を通じて、不安を解消したり、気持ちを安定させたりする治療法です。
医師が患者さんの話を親身になって聞き、状況に応じてアドバイスする場合もあります。
認知行動療法では、患者さんが自分の考え方や思考パターンを認知し、適切な行動を学習する治療法です。
集団精神療法では、同じ病気の患者さん同士が集まって話し合い、統合失調症の症状や日常生活の課題の解決を図ります。
リハビリテーション
精神科におけるリハビリテーションとは、社会生活を営むうえで必要なスキルを身につけるための支援です。
リハビリテーションの例として、以下の方法が挙げられます。
精神科リハビリテーションの方法 | 内容 |
心理教育 | 病気の症状や治療法に関する知識を学び、対処法を身につける |
生活技能訓練(SST) | ストレス対処法や対人スキルなどを、ロールプレイングを通じて学ぶ |
作業療法 | 園芸や料理、陶芸などの作業を通じて、楽しみや充実感などの感情の回復を図る |
認知リハビリテーション | コンピュータゲームなどを行い、認知機能を向上させる |
精神科デイケア | 精神科の外来治療の一種で、さまざまな活動を通じて、対人関係能力を改善する |
患者さんが自立した生活を送るためのサポートを提供し、社会とのつながりを持ちながら生活の質(QOL)の向上をめざします。
薬物療法
薬物療法は、抗精神病薬を用いて、統合失調症の症状を緩和させることが目的です。
抗精神病薬は、脳内のドーパミン神経の活動を抑え、幻聴や妄想、考えがまとまらないなどの症状を改善するはたらきがあります。
従来の抗精神病薬(定型抗精神病薬)は、のどがかわいたり、便秘になったりなどの副作用が多く見られてきました。
しかし、新しいタイプの抗精神病薬である「非定型抗精神病薬」は、従来の薬に比べて副作用が少ないとされています。
また、患者さんの症状によっては、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などが処方されることもあります。
服薬の際の注意点として、副作用や薬の量など、気になることがあれば早めに主治医に相談しましょう。
統合失調症の陰性症状がある方の日常生活での注意点
統合失調症の陰性症状と付き合うには、以下の注意点があります。
- 自分の限界を理解し、無理をしない
- リラックスできる時間・空間をつくる
- 自己判断で薬をやめない
- 主治医と家族とのコミュニケーションを大切にする
統合失調症は、患者さん本人と周囲の人が症状を理解し、長い期間向き合う必要のある病気です。
上記の注意点を押さえて、日常生活を送りましょう。
自分の限界を理解し無理をしない
陰性症状がある方の注意点として、自分の体調や心理状態を理解する必要があります。
無理をして活動を続けると、症状を悪化させる可能性があるからです。
先述したとおり、統合失調症の陰性症状があると、集中力や体力が低下し、長時間の活動が難しくなる場合が多いです。
身体や心が限界を迎えているのに もかかわらず、無理して仕事や勉強に取りかかると、ストレスを溜めて再発に つながるかもし れません。
自分の限界を理解し、疲れを感じたら無理をせず休息をとったり、自分にとって適切なペースで物事を進めたりなど、自己管理を心がけましょう。
リラックスできる時間や空間をつくる
陰性症状のある方が日常生活を送るうえでの注意点として「ストレスを溜めないこと」があります。
理由として、ストレスは陰性症状を悪化させる要因の一つだからです。
対策として、リラックスできる時間を意識的に設け、心身ともにリフレッシュするよう心がけましょう。
おすすめのリラックス方法は、以下のとおりです。
- 腹式呼吸をする
- 瞑想をする
- ストレッチをする
- しっかりと睡眠をとる
- 自然のなかを散歩する
- 自分の気持ちをノートに書く
特に腹式呼吸は、お腹から息を吸い、ゆっくりと吐くことで副交感神経が優位になるため、リラックス効果が期待できます。
特別に用意する道具もなく、自室でも外出先でもできるため「今すぐ気分を落ち着かせたい」というときにも有効です。
自己診断で薬の服用をやめない
陰性症状のある方の注意点として「決して自己診断で服薬を中止しないこと」が挙げられます。
薬の量は、患者さんの症状や状態を医師が判断し、患者さん一人ひとりに合わせて処方されているためです。
統合失調症の診断を受けた場合、専門医の指導のもとで薬物療法を受け、症状を抑える必要があります。
自己診断で薬の服用を中断したり、量を変更したりすることは、症状を不安定にさせる原因となるため避けましょう。
もし「薬の量を減らしたい」「薬自体をやめたい」と思った時は、主治医への相談が必要です。
相談した時点で症状が落ち着いている場合、医師も薬の量を調整する可能性があります。
薬に関して何か気になる点があれば、自己診断せず、まずは主治医に相談してみましょう。
主治医や家族との意思疎通を図り信頼関係を築く
統合失調症と向き合うときの注意点として「医師やご家族との意思疎通を大切にし、信頼関係を築くこと」が挙げられます。
統合失調症の方にとって、主治医やご家族とのコミュニケーションは非常に重要です。
自分の感じていることや困っていることを正直に伝えられる関係性があると、治療の効果にも反映されます。
医師とコミュニケーションをとる際には、以下の事項を確認し、伝えましょう。
- 規則正しい生活を送れているか
- ストレスがないか
- 食事・睡眠はとれているか
統合失調症は、長期にわたる治療・サポートが必要な病気です。
そのため、本人のみならず、ご家族も統合失調症の症状や治療について理解し、主治医と継続的にコミュニケーションをとるとよいでしょう。
統合失調症の陰性症状は医師や専門家のサポートを得よう
統合失調症の陰性症状には、感情が乏しくなったり、人と関わらなくなったり、意欲や集中力が低下したりします。
これらの症状は、専門医による診断・治療を受けると、日常生活における影響を抑えられます。
日常生活を送るうえでの注意点として、自分の限界を認識し、ストレスを軽減するためのリラックスタイムを設けましょう。
そして、医師から処方された薬は医師の指導のもとで継続して服用し続けてください。
自己診断で薬の量を減らしたり、やめたりすると再発リスクが高まります。
統合失調症からの回復は、周囲からの理解が不可欠です。
信頼できる主治医やご家族とのコミュニケーションを大切にし、支え合いながら症状と向き合うことで、早期回復につながります。
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