ADHDと記憶力の関係とは?特性や得意分野・対処方法まで徹底解説!
記事の目次
- 1ADHDとは?
- 1.1ADHDは発達障害に含まれる
- 1.2ADHDの主な特性
- 2ADHDと記憶力との関係とは?
- 2.1興味のあることに発揮される記憶力
- 2.2短期記憶が苦手
- 2.3長期記憶が得意
- 3ADHDの方の得意分野
- 3.1興味のあることを活かした分野
- 3.2集中力の求められる分野
- 3.3豊かな感性を活かせる分野
- 4ADHDの治療方法
- 4.1薬物療法
- 4.2環境調整
- 4.3行動療法
- 5ADHDのトレーニングによる対策方法
- 5.1ソーシャルスキル・トレーニング
- 5.2アンガーマネジメント
- 5.3コーチング
- 5.4マインドフルネス
- 5.5ニューロフィードバック
- 6ADHDの方が就職に利用できる支援機関
- 6.1就労移行支援事業所(就労支援サービス)
- 6.2精神保健福祉センター
- 6.3障害者就業・生活支援センター
- 7ADHDと上手に付き合い自分の特性を活かしていこう
ADHDの方は、集中力の低下や忘れ物、スケジュール管理が苦手といった特性により、仕事に支障をきたすことがあるかもしれません。
その反面、興味のある分野には熱中しやすかったり、感性が豊かな部分は、ADHDの方の強みと言えるでしょう。
本記事では、ADHDと記憶力の関係や特性と得意分野、苦手なことに対する対策を解説していきます。
ADHDとは?
ADHDとは、不注意や多動性・衝動性により、日常生活に支障を及ぼしてしまう発達障害です。注意欠陥・多動性障害とも呼ばれています。
ADHDの特性は、軽症の場合大人になると目立ちにくくなる方も少なくありません。
しかし、仕事をする上で、小さなミスを繰り返したり、集中力が続かないなど、何らかの対策が必要となる場合もあります。
場合によってはうつ病などの二次障害を起こしてしまうこともあるでしょう。
ADHDの特性にどのようなものがあるのか解説していきます。
ADHDは発達障害に含まれる
ADHDは発達障害の1つです。
子供の頃は、特性が強く表れなかったり、特性による困りごとが表面化しにくい場合もあり、気が付かない方もいらっしゃいます。
しかし、大人になり仕事をする中で、注意してもミスが防げなかったり、周囲が気になり、仕事に集中することができないなど、困りごとが生じることがあるかもしれません。
その時に、ご自身がADHDではないかと気が付くこともあるでしょう。
大人になってから気が付いた場合でも、治療やトレーニング・対策を行うことで、困りごとを解消することができます。
ADHDの主な特性
ADHDの特性は2つのタイプに分けられます。
- 多動・衝動性
- 不注意
それぞれの症状について解説していきます。
多動・衝動性
多動・衝動性は、落ち着きのなさや、感情のふり幅の大きさ、一方的にしゃべり続けるといった症状があります。
じっと座っていることが苦手で、授業中や会議中であっても席を立ったり歩き回ったりしてしまいます。
多動・衝動性は大人になるにつれて症状が目立ちにくくなる方もいるそうです。
不注意
不注意とは、主に興味がないことへの集中力がなく、ミスを繰り返してしまったり、忘れ物や約束自体を忘れてしまうことが多いといった症状です。
約束自体を忘れてしまうため、スケジュール管理が苦手といった特徴もあります。
不注意は、大人になっても続くことが多い症状です。
また、子どもの頃には気が付かなくても、不注意の症状の強さにより、大人になってからご自身がADHDではないかと気が付く場合もあります。
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ADHDと記憶力との関係とは?
ADHDは、脳に起こる機能障害と言われています。
脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの機能異常があるのではないかと考えられ、短期的な記憶力が低めな方が多いです。
また、ADHDは記憶を脳内にとどめておく容量(ワーキングメモリ)が小さい傾向があります。
そのため、短期記憶は苦手な方が多いそうですが、長期記憶はトレーニングにより向上させることができる場合もあります。
興味のあることに発揮される記憶力
ADHDの方は、注意力や集中力の欠如があるとされており、記憶力が悪いと言われることがあります。
しかし、興味のあることに対してはとても強い記憶力を発揮します。
ADHDの強みは、興味があることには高い集中力を発揮し没頭することができることです。
そのため、その能力は記憶力においても発揮され、興味のある分野の豊富な知識を有することが多くあります。
短期記憶が苦手
ADHDの方は、注意が散漫しやすく、脳内に入ってくる情報が適量でない状態です。
そのため、適切に処理できる情報が少なく、ワーキングメモリが上手く機能できない可能性があります。
そのため、一度に多くのことを言われると容量オーバーになってしまったり、同じミスを何度も繰り返してしまうなど、短期記憶に関することが苦手とされています。
長期記憶が得意
ADHDの方は、短期記憶を処理することが苦手な方が多いです。
その反面で、長期記憶に関しては、記憶する能力はあると言われています。
しかし、短期記憶が苦手であるため、長期記憶に結びつく情報を取得することができず、記憶力が良くないと捉えられることが多いでしょう。
集中力を向上させることで記憶力も向上させていくことができます。
長期記憶が得意となるようにトレーニングを重ねることで記憶力の向上を図ることができます。
ADHDの方の得意分野
ADHDの特性は、マイナスなことばかりではありません。
ADHDの方はその特性を強みに変えることができます。
例えば、興味のある分野への高い記憶力を発揮したり、様々なことへの好奇心が旺盛な面は、フットワークが軽いと捉えることができます。
また、物事に没頭したり、ご自身がもつ豊かな感性を活かすことができる分野では十分に能力を発揮できるのではないでしょうか。
具体的にどういった分野が得意かを解説していきます。
興味のあることを活かした分野
ADHDのある方は、好奇心が旺盛で、興味のあることに没頭しやすく、極めるといった特性があります。
そのため、ITエンジニアやプログラマといった、専門的な知識が必要な仕事は向いている職業と言えるでしょう。
衝動性や多動性といった特性は、フットワークが軽く、ジャーナリストやカメラマンなど行動力が必要な仕事でも活かされます。
不注意が目立つ方でも、ご自身の興味のある分野に関しては、突き詰めることができるのもADHDの方の強みです。
集中力の求められる分野
興味のあることに没頭する能力があるADHDの方は、集中力の求められる分野においても能力を発揮できる場合があります。
研究職や芸術的な分野においては、研究・制作に集中して取り組むことができるため、向いている職業と言えるでしょう。
ご自身の興味がある分野を選択することが、長所を活かすポイントです。
豊かな感性を活かせる分野
ADHDの方の中には、発想力や独創性に富んでいたり、好奇心や感受性の強さなど、感性がとても豊かな方が多くいらっしゃいます。
そのため、デザイナーやイラストレーター、ライターなど、アーティスティックな才能を活かす仕事は向いている職業と言えるでしょう。
これらの仕事は、自由度が高く、ご自身の能力を十分に発揮しやすい環境が整えやすいことも特徴です。
ADHDの方におすすめの仕事に関しては、下の記事でさらに詳しく解説しています。
ADHDの治療方法
ADHDの治療方法には以下の3つがあります。
- 薬物療法
- 環境調整
- 行動療法
それぞれの治療法について解説していきます。
薬物療法
ADHDの方に行われる薬物療法は、脳の神経伝達物質のバランスを整える目的で行われます。
大人のADHDの治療薬として認可されているものには、「メチルフェニデート徐放錠」「アトモキセチン」「グアンファシン」です。
これらの薬は、不注意、多動・衝動性の症状に対し効果があります。
薬の効果が現れるまでの時間などに違いがあり、症状によっては複数の薬を組み合わせてコントロールをする場合もあります。
主な副作用は、頭痛、吐き気、食欲不振などです。
副作用が強く内服を継続することが困難な場合は、自己判断で断薬せず医師へ相談し、薬の種類や用法の変更を依頼しましょう。
環境調整
環境調整とは、ご自身の特性を理解した上で、苦手なことを補うために生活習慣や人間関係を見直す方法です。
例えば、人との約束を忘れやすい方は、リマインダーやカレンダー機能を使ったり、手書きのスケジュール帳にすべての予定を書き込むことを習慣付けるといった対策を行います。
様々なツールを利用しながら環境を整え、ご自身の特性による困りごとをカバーする対策を習慣化していきます。
行動療法
行動療法を通して、ADHDの特性を理解し、困りごとに対する対処方法を身に付けていくことも大切な治療方法の1つです。
ご自身の考え方や価値観を見直し、状況や場面に合った言動ができるようにトレーニングをすることで、行動を変化させていきます。
特性を理解することで、自己肯定感が高まり、社会生活における困りごとを解決することができるようになります。
行動療法を受けたい場合は、主治医や地域の精神保健福祉センターへ相談してみましょう。
ADHDのトレーニングによる対策方法
ADHDの治療方法について解説しましたが、現時点でADHDの根本的な治療方法は確立されていません。
そのため、一つ一つの困りごとに対して、対策する方法を身に付けるトレーニングを行うことはとても大切です。
ADHDのトレーニングによる対策方法はどのようなものがあるのでしょうか。
ソーシャルスキル・トレーニング
ソーシャルスキル・トレーニング(SST)は、人間関係や集団行動を円滑にするためのスキルトレーニングです。
ADHDの特性により、思ったことをすぐ口に出してしまったり、場にそぐわない言動をしてしまい、対人関係に悩むことがあるかもしれません。
対人関係に悩む方は、ソーシャルスキル・トレーニングを通してコミュニケーションの取り方や社会のマナー、生活スキルなどを学び、対人関係の築き方などの対策方法を習得していきます。
トレーニングは個人で行う場合とグループで行う場合があり、ロールプレイングを中心に行われます。
アンガーマネジメント
アンガーマネジメントは、怒りの感情のコントロールの仕方を学ぶプログラムです。
ADHDの衝動性の特性により、怒りの感情を抑制できないなど、感情のコントロールが難しい場合があります。
ご自身の怒りが起こるメカニズムを理解し、適切な感情の表出の仕方を学んでいくことで、怒りをコントロールできるようにする対策方法です。
コーチング
コーチングは、専門家であるコーチと対話をすることで、自分自身を理解し、問題を解決していくトレーニングです。
一対一のトレーニングなので、よりご自身に合った具体的なアドバイスを受けることができます。
一つ一つの困りごとを明確にすることで、自己理解を深め、ご自身に合った対策をするにはどうしたらよいかを見つけていきます。
マインドフルネス
マインドフルネスは、ありのままの事実だけを考えるようにする瞑想法です。
ADHDの方は、注意が散漫しやすく、次々と思考が変化してしまう傾向があります。
これは、集中力の維持や感情の抑制を司る、前頭前野の機能が弱いことが原因と考えられています。
そのため、前頭前野の機能を向上させる目的で行われるトレーニングです。
感情や感覚、環境といった判断を取り払い、ありのままの事実だけに向き合うことで思考の整理をしていきます。
ニューロフィードバック
ニューロフィードバックは、ご自身の思考や感情を実際の脳波を見ながら行うトレーニングです。
実際に脳波の動きを見ることで、ご自身の感情のコントロール方法や集中力などを目で見て理解することができます。
ADHDの方は視覚から入る情報を処理しやすい方が多いため、有効な手段と言えるでしょう。
衝動性が強かったり、注意力が欠如している方に対して効果が期待されています。
ADHDの方が就職に利用できる支援機関
ADHDの特性により、就労に不安を感じることがあるかもしれません。
一人で悩まず、専門の機関の支援を受け、ご自身が働きやすい就労先を見つけていきましょう。
ADHDの方が就職に利用できる支援機関を解説します。
就労移行支援事業所(就労支援サービス)
就労移行支援事業は、一般企業への就労を目指す方の就職活動から定着支援までをサポートする機関です。
対象は、一般企業での就労を希望する、18歳以上65歳未満の障がいのある方です。
就労に向けて必要な職業トレーニングを行うだけでなく、就労後の定着支援までを含めた、就労に関する包括的なサポートをしてくれます。
利用期限は2年間です。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づき設置されている、精神障害の方の幅広い悩み相談に対応してくれる機関です。
就労に関することから、障がいや生活に関することまで支援が受けられます。
医療スタッフなど専門家も在籍しているため、症状に対する具体的なアドバイスを受けることができるでしょう。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、障がいがある方の仕事や生活に関する幅広い事柄の相談をすることができる機関です。
金銭管理などについても相談することができるため、衝動買いが抑えられないなどADHDの特性による困りごとも相談してみるとよいでしょう。
就労に関しては、就労支援から定着支援まで長期的なサポートを受けることができます。
全国に設置されており、障がいのある方を対象に支援を行っています。
ADHDと上手に付き合い自分の特性を活かしていこう
ADHDの方は、不注意や多動・衝動性といった特性により生活に困りごとを感じることがあります。
仕事をする上でも記憶力の問題によりミスをしてしまったり、対人トラブルを起してしまうことがあるかもしれません。
まずはご自身と向き合い、特性を理解した上で、対策方法を身に付けていきましょう。
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