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地域活動支援センターとは?就労継続支援との違い・活動内容・利用方法を解説!

地域活動支援センターとは?就労継続支援との違い・活動内容・利用方法を解説!

記事の目次

  1. 1地域活動支援センターの基本概要
  2. 1.1地域活動支援センターとは?
  3. 1.2地域活動支援センターと就労継続支援との違い
  4. 1.3地域活動支援センターの対象者
  5. 2地域活動支援センターの活動内容
  6. 2.1基礎的事業
  7. 2.2機能強化事業
  8. 3地域活動支援センターの利用方法
  9. 3.1①相談支援事業所・自治体の障害福祉課へ相談
  10. 3.2②施設見学
  11. 3.3③市区町村にて申請手続き
  12. 3.4④審査
  13. 3.5⑤利用施設での申請手続き
  14. 3.6⑥契約・利用開始
  15. 4地域活動支援センターを利用するメリット
  16. 4.1地域社会との交流やつながりを持てる
  17. 4.2生活・就職の悩みを相談できる
  18. 4.3就労支援が受けられる
  19. 4.4社会適応訓練などさままざなサポートが受けられる
  20. 5地域活動支援センターを利用する際の注意点
  21. 5.1地域によって活動内容が若干異なる
  22. 5.2障害程度区分が記載された診断書の提出が必要
  23. 5.3利用料や保険料がかかるセンターもある
  24. 5.4機能強化事業は利用人数が定められている
  25. 6地域活動支援センターをうまく活用しよう!

地域活動支援センターは、地域にお住まいの障がいのある方を対象者とし、創作活動や生産活動、地域活動の場を提供しています。

しかし、具体的な活動内容や利用までの流れについては「あまりよくわからない」と思っている方も多いでしょう。

この記事では、地域活動支援センターの活動内容や利用対象者、利用までの流れをお伝えします。

また、地域活動支援センターを利用するメリット・注意点も解説するので、利用を考えている方はぜひご参考にしてください。

地域活動支援センターの基本概要

地域活動支援センターとは、障がいのある方の日中活動をサポートする通所型の施設です。
通称「地活(ちかつ)」とも呼ばれています。

以下より、地域活動支援センターの概要や就労支援事業所との違い、対象者について解説します。
ぜひこの機会に地域活動支援センターについて知識を深めてみてください。
 

地域活動支援センターとは?

地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づく「地域生活支援事業」の一つとして位置付けられた施設です。

地域生活支援事業とは、障がいのある方が地域社会でその人らしい生活を送るため、創作活動や生産活動など、さまざまな活動を支援しています。

また、地域の方との交流を深めて社会的孤立を防ぎ、地域に根ざした支援を展開しています。

市町村対象事業一覧
厚生労働省

地域活動支援センターと就労継続支援との違い

地域活動支援センターと就労継続支援の違いは「就労の機会・場所を提供しているかどうか」です。

就労継続支援は、障がいのある方が働くことを目的としており、職場でのスキルアップや、就職に必要なサポートを提供します。

一方で、地域活動支援センターは就職支援に特化したものではなく、他者との交流や創作活動を楽しむ場を提供しています。

両者の相違点は、就職支援に焦点をあてるか、日常生活の充実をめざすかという点です。
就労継続支援の詳しいサービス内容については、以下の記事をご覧ください。

就労継続支援とは?A型とB型の違いからサービス内容・利用方法まで解説!のイメージ
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地域活動支援センターの対象者

地域活動支援センターの対象者は、主にセンターの所在地にお住まいの障がいのある方です。
具体的には、以下の障がいのある方を対象者としています。

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害
  • 発達障害
  • 難病

基本的には、どの障がいでも利用対象者として認められますが、一部のセンターでは、特定の障がいがある方のみを対象者とする場合もあります。

対象年齢に法律上の決まりはありませんが、15歳または18歳以上とするセンターが多いでしょう。

また、センターを利用するにあたって、以下の書類の提出を求められる場合もあります。
  • 障害者手帳
  • 障害福祉サービス受給者証
  • 地域生活支援事業の受給者証
  • 医師の診断書・意見書

上記の書類は、お住まいの自治体の専用窓口で申請可能です。
詳しくは、市区町村役場の障害福祉課などにご相談ください。

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地域活動支援センターの活動内容

地域活動支援センターでは、障がいのある方が地域社会で自立して生活するために、さまざまな支援を提供しています。

具体的には、日中の活動の場を提供し、社会参加や生活能力の向上を目指す取り組みが行われています。

ここでは、その活動内容について基礎的事業と機能強化事業に分けて紹介します。

基礎的事業

基礎的事業では、創作活動や生産活動の機会・場を提供します。
具体的なサービス内容は、各センターによって異なるでしょう。

例えば、東京都新宿区にある地域活動支援センターでは、以下のプログラムを実施しています。

  • 創作活動(絵画・陶芸など)
  • 音楽活動(ピアノ鑑賞・カラオケなど)
  • 運動(エアロビクス・ヨガ・散歩など)
  • 趣味、その他(俳句・テーブルゲームなど)

センターの利用者はこれらの活動に参加することで、日中活動や地域交流を楽しめます。

地域活動支援センターとは?
社会福祉法人東京ムツミ会 ファロ

機能強化事業

機能強化事業は基礎的事業に加えて、より専門的な支援と手厚い人員を配置し、センターの機能強化を図る事業です。

この事業にはⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3つがあり、それぞれのニーズに応じたサービスが提供されます。
サポート内容の詳細について、以下で確認しましょう。

Ⅰ型

Ⅰ型の活動内容は、医療・福祉や地域社会との連携を強化したり、地域ボランティアを育成したり、障がいの普及・啓発活動を行ったりします。

具体的には、困りごとへの相談対応や、地域の医療機関や支援機関と連携し、障がいのある方のサポートをします。

上記の業務に対応するため、Ⅰ型は、精神保健福祉士や社会福祉士などの専門スタッフを3名以上配置しなければなりません。

Ⅱ型

Ⅱ型は、障がいによって雇用・就職が難しい方に対し、機能訓練や社会適応訓練、入浴サービスなどを提供しています。

機能訓練では、身体機能の維持・改善をめざし、社会適応訓練では、就職に向けてさまざまなトレーニングを行います。

Ⅲ型

Ⅲ型とは、小規模作業所としての実績が5年以上あるセンターです。

地域活動支援センターは、2006年に障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)が施行される前は「小規模作業所」として運営されていました。

小規模作業所のサービス内容は現在のⅡ型や就労継続支援に近く、企業の下請け作業や機能訓練などです。

障がいによって就職が難しい方を対象者とし、働く場や交流の場を提供していました。

上記のような実績があり、5年以上安定した経営ができていた事業所が、地域活動支援センターのⅢ型として、現在も運営されているのです。

共同作業所(小規模作業所)
WAM NET
地域活動支援センター機能強化事業の概要
厚生労働省

地域活動支援センターの利用方法

地域活動支援センターを利用するには、いくつかのステップがあります。
まずは、その流れを理解し、各ステップに必要な行動を把握しましょう。

①相談支援事業所・自治体の障害福祉課へ相談

地域活動支援センターを利用するには、登録手続きが必要です。

なかには登録・予約なしで好きなタイミングに活動に参加できるセンターもありますが、事前に手続きをするのが一般的でしょう。

まずはお住まいの市区町村の障害福祉課や相談支援事業所にご相談ください。

窓口では、専門の相談員が利用者のニーズや状況を詳しくヒアリングし、利用にあたっての手続きの流れや必要な書類について教えてくれます。

②施設見学

地域活動支援センターを利用する前に、実際に施設に行き、見学をしましょう。

見学を通じて、施設の雰囲気やスタッフの対応、プログラムの内容などを直接確認できるからです。

センターによっては、体験利用ができる施設もあります。
機会があれば、ぜひ参加してみましょう。

③市区町村にて申請手続き

施設を見学し、利用を決めた場合は市区町村の窓口で申請手続きをします。

センターによっては、地域生活支援事業の受給者証や障害福祉サービス受給者証が必要とされるからです。

窓口で申請手続きをするまえに必要な書類を確認し、準備を整えておくと、スムーズに手続きができるでしょう。

④審査

申請手続きのあとは、市区町村による審査が行われます。

市区町村の職員が、利用する回数や障がいの状態、日常生活について利用者本人やご家族から聞き取り、調査します。

利用者の状況や提出された書類をもとに、サービスの支給量を決定するのです。
支給量が決まったら、ご自宅に受給者証が届きます。

⑤利用施設での申請手続き

サービスの支給量が決まったら、利用する地域活動支援センターでの申請手続きをしましょう。

手続きの際に、具体的なサービス内容や利用日数、時間などを決め、施設との間で詳細をつめていきます。

見学や体験利用の際に気になったプログラムがあれば、この時点で職員に「興味がある」「参加してみたい」と伝えるとよいでしょう。

⑥契約・利用開始

最後に、地域活動支援センターと契約を結んで利用を開始します。

契約内容には、サービスの内容や利用条件、費用に関する事項が含まれるため、不明点があればこの時点で確認しておきましょう。

契約後はプログラムに参加しながら、創作活動や生産活動、ほかの利用者との交流などをお楽しみください。

地域活動支援センターを利用するメリット

地域活動支援センターの利用には、以下の4つのメリットがあります。

  • 地域社会との交流・つながりを持てる
  • 生活・就職の悩みを相談できる
  • 就労支援が受けられる
  • 社会適応訓練などさまざまなサポートが受けられる

地域包括支援センターは、地域に住んでいる障がいのある方のニーズに合わせて、さまざまな相談支援やサポートを提供しています。

それぞれのメリットについて、以下より解説します。

地域社会との交流やつながりを持てる

地域活動支援センターの大きなメリットの一つは、地域社会との交流やつながりを持てる点です。

障がいのある方のなかには、地域活動に参加するのが難しく、孤立してしまう方もいます。

地域活動支援センターでは、創作活動や生産活動の機会を提供し、障がいのある方に居場所や人とのつながりを持てるようサポートしています。

日中活動のほかにも、地域の清掃活動やイベントにも参加できます。

これらの活動によって、障がいのある方も孤立せず、地域社会の一員として生活できるのです。

生活・就職の悩みを相談できる

地域活動支援センターは、日常生活や就職に関する悩みを抱えている方の相談窓口としての役割もあります。

具体的には、家事や仕事、住まいの問題や福祉制度を利用する手続きについて相談し、サポートを受けられるでしょう。

特にⅠ型のセンターでは精神保健福祉士や社会福祉士など、専門知識を持った職員が相談に乗ってくれます。

また、必要に応じて専門機関への紹介も行っているため、利用者が抱える問題の解決に向けた、きめ細やかなサポートが受けられるでしょう。

就労支援が受けられる

地域活動支援センターでは、就職をめざす障がいのある方に対して、就労支援プログラムを提供しています。

具体的には、働くうえで必要な対人スキルのトレーニングやパソコンの操作方法などを学べます。

また、地域活動支援センターに通い続けることで、定期的に外出する習慣が身につき、生活リズムが整うでしょう。

地域活動支援センターは、就職前の基礎体力や生活リズムを身につけるために利用するのもおすすめです。

社会適応訓練などさままざなサポートが受けられる

地域活動支援センターでは、社会適応訓練をはじめとするさまざまなサポートが受けられます。

社会適応訓練とは、主に精神障害の方を対象者とし、社会で働くための集中力や持続力、コミュニケーションスキルなどを向上させる訓練のことです。

「いきなり就職や復職は難しい」と考えている方も、まずは社会適応訓練からはじめてみるとよいでしょう。

また、地域活動支援センターではさまざまなサポートを提供しています。
何か困ったことや相談したいことがあれば、センターのスタッフにご相談ください。

精神障害者社会適応訓練事業の概要等
厚生労働省

地域活動支援センターを利用する際の注意点

地域活動支援センターの利用には、いくつかの注意点があります。
具体的には、以下の4つです。

  • センターによって活動内容が異なる
  • 障がいの程度が記載された診断書を提出する必要がある
  • 利用料や保険料がかかるセンターもある
  • 機能強化事業は利用人数が定められている

上記の注意点を押さえたうえで、利用するセンターをじっくり検討しましょう。

地域によって活動内容が若干異なる

地域活動支援センターは、地域の特性やニーズに応じてさまざなプログラムを提供しています。

そのため、利用を考えているセンターの活動内容を事前に調べ、自分の興味や目的に合っているかを確認しましょう。

また、センターによっては特定の障がいのある方を対象者としたプログラムを設けている場合もあります。
自分に適したサービスが提供されているかも確かめましょう。

障害程度区分が記載された診断書の提出が必要

地域活動支援センターを利用するためには、障がいの程度を示す診断書の提出を求められる場合もあります。

理由として、診断書に記載された障がいの種類・程度に基づいて、サービスの提供が行われるからです。

診断書は医師によって発行され、更新が必要な場合もあります。
そのため、定期的に医師の診察を受けることが大切です。

また、センターを利用するにあたって必要な書類は、地域によって異なります。
詳しくは、センターの公式サイトや市区町村の窓口にてご確認ください。

利用料や保険料がかかるセンターもある

地域活動支援センターは、無料で利用できる場合が多いでしょう。
しかし、一部のセンターでは、利用料が保険料が必要となる場合があります。

利用料は、センターによって金額が異なるため、事前に確認しておきましょう。
生活保護世帯や住民税非課税世帯の方は、利用料が減免・免除される場合もあります。

また、利用料や保険料がかからないセンターでも、食事代や入浴代、レクリエーションの参加費を集めるケースもあります。

詳しくは、利用を検討しているセンターにお問い合わせください。

機能強化事業は利用人数が定められている

先述したとおり、地域活動支援センターのなかには、機能強化事業を行っているところもあります。

機能強化事業では、専門資格を持ったスタッフが配置されており、相談支援や機能訓練などの専門性の高い支援を受けられます。

しかし、機能強化事業は利用人数が定められているため、希望する場合は早めに申し込みをしましょう。

なお、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型の1日あたりの利用者数は、以下のように定められています。

機能強化事業 1日あたりの利用者数
Ⅰ型 約20名以上
Ⅱ型 約15名以上
Ⅲ型 約10名以上

地域活動支援センター機能強化事業の概要
厚生労働省

地域活動支援センターをうまく活用しよう!

地域活動支援センターは、創作活動やグループ活動、就職に向けた訓練、相談支援などを通じて、障がいのある方の社会参加を後押ししています。

各センターによって、活動内容や利用対象者、利用までの手続き方法が異なるため、インターネットでお近くのセンターについて調べてみましょう。

地域活動支援センターをうまく活用すると、自分らしい生活を築き、生活をより豊かになります。

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宮島
ライター

宮島

大学では社会福祉学を専攻し、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得。障害者就業・支援センターと就業継続支援事業所に勤め、精神障がいや発達障がいのある方の就労支援に携わりました。現在は知識と経験を活かし、福祉やメンタルヘルスに関する記事を執筆するライターとして活動しています。就労移行支援についてわかりやすく解説し、読者の皆さまの悩みを解決できる記事を執筆します。

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