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発達障害の方向けのビジョントレーニングとは?内容・受けられる施設まで解説!

発達障害の方向けのビジョントレーニングとは?内容・受けられる施設まで解説!

記事の目次

  1. 1「見る」機能を高めるトレーニング
  2. 1.1視力検査とは違う
  3. 1.23つの視覚機能
  4. 2発達障害と視覚機能の関係
  5. 3発達障害の方向けのビジョントレーニングの内容
  6. 3.1眼球運動トレーニング
  7. 3.2視空間認知トレーニング
  8. 3.3眼と体のチームワークトレーニング
  9. 4ビジョントレーニングの発達障害への効果
  10. 4.1集中力アップに効果がある
  11. 4.2読み書きする力が向上する
  12. 4.3運動機能が上がる
  13. 5ビジョントレーニングが受けられる施設
  14. 5.1療育施設
  15. 5.2スポーツジム
  16. 5.3トレーニングセンター
  17. 6ビジョントレーニングは視覚機能を向上させる

「見る」機能を高めるトレーニング

私たちの「見る」機能は、日常生活や学習、そしてスポーツのあらゆる場面で重要な役割を果たしています。

たとえば、教室で黒板の文字を書き写したり、運動場でボールをキャッチしたり、あるいは日常生活の中でさまざまな物の位置や色、形を認識する際にも、この「見る」機能が関係しています。

この機能を改善・向上させるトレーニングが、ビジョントレーニングです。ビジョントレーニングは目で見た情報を正確に捉え、脳で適切に処理し、それをもとに体を動かすための視覚機能を向上させるためのトレーニングです。

これにより、日常生活や学習、スポーツなどでのパフォーマンスを向上させることが期待できます。

この記事では、ビジョントレーニングの内容、発達障害のある方々への効果、トレーニングを受けられる施設などについて解説します。

視力検査とは違う

ビジョントレーニングは、視力検査とは異なります。

視力検査は静止視力を測定するものであり、これは目や対象物が静止している場合の視力です。視力は、目の焦点を合わせる能力であり、視覚機能の一部に過ぎません。

一方で、ビジョントレーニングは視力だけでなく、視覚機能全般を指します。

視覚機能には、眼球運動や視知覚認知、そして目と手の協応といった多様な要素が含まれます。視覚機能は、私たちが日常生活やスポーツ、学習の中でさまざまな活動をする際に重要な役割を果たしています。

ビジョントレーニングは、この視覚機能を向上させるためのトレーニングです。

3つの視覚機能

視覚機能は大きく3つの要素で構成されています。

これらは、それぞれ異なる役割を持ち、私たちの「見る」能力を支えています。これらの視覚機能を高めることが、ビジョントレーニングの目的の一つです。

眼球運動

眼球運動とは、視線を素早く動かしたり、対象を目で追ったりする機能です。

眼球運動には以下の3つの種類があります。

滑動性眼球運動(追従性眼球運動)

  • 見ているものに合わせて視線をなめらかに動かす機能です。この運動は、動いている対象を目で追うときに必要な機能です。例えば、スポーツでボールの動きを追いかけるときなどに重要です。

跳躍性眼球運動(衝動性眼球運動)

  • 見ているものの位置から、ほかの場所へ視線を移動させる機能です。この運動は、目標を素早く切り替えるときに使われます。例えば、教室で黒板の文字をノートに書き写すときなどに重要です。

輻輳・開散運動

  • 両目の視線を見ているものの距離に合わせて調整し、立体感や遠近感を理解する機能です。この運動は、近くのものや遠くのものを正確に見るときに使われます。例えば、3D映画を観るときなどに重要です。

視空間認知

視空間認知は、色や形、距離感を正しく認識するための機能です。この機能は、私たちが周囲の環境を正確に捉えるために不可欠です。

視空間認知は、情報を処理する脳の機能と連携しており、この機能が向上すると、対象物と背景を区別しやすくなったりします。

また、距離感を正確に捉えることができるようになり、人や物にぶつかることが少なくなるという効果も期待できます。

目と体の協応

目と体の協応とは、目で見た情報に合わせて、体を動かす機能です。

この機能が苦手な場合、「黒板を見てノートに板書することが難しい」や「転がってきたボールをキャッチすることが難しい」などがあります。

ビジョントレーニングは、発達障害のある方をはじめ、視覚機能に課題を持つ方にとって有用なトレーニングです。視覚機能は、単に視力だけでなく、眼球運動、視空間認知、そして目と体の協応といった多様な要素で構成されています。

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発達障害と視覚機能の関係

発達障害は視覚機能と関係が深く、困難が生じることが多いと言われています。

視覚機能は、日常生活や学習、スポーツなどさまざまな場面で重要な役割を果たすため、視覚機能に問題があると多くの困難に直面することになります。

視覚機能は、「見る」力を総合的に指すもので、以下の要素から成り立っています。

眼球運動

  • 眼球運動は、視線を動かして物を見たり、物を追いかけたりする能力です。これには、目の筋肉の働きが関係しています。

視空間認知

  • 視空間認知は、物の形、位置、距離、色を正確に認識する能力です。これは、目から入った情報を脳が処理することで実現されます。

目と体の協応

  • 目と体の協応は、目で見た情報をもとに体を動かす能力です。キャッチボールのように、目で見て適切な場所に手を出すような動きがこれに関係します。

発達障害の方向けのビジョントレーニングの内容

ビジョントレーニングは、「見る」機能を高めるためのトレーニングで、発達障害のある方の視覚の困難を軽減し、日常生活や学習、スポーツなどでのパフォーマンス向上に役立ちます。

ビジョントレーニングには、眼球運動トレーニング、視空間認知トレーニング、そして眼と体のチームワークトレーニングの3つの主要なトレーニング方法があります。

これらのトレーニングは、それぞれ異なる視覚機能を鍛え、発達障害のある方に深い関係があります。

眼球運動トレーニング

眼球運動トレーニングは、目の動きを鍛えるトレーニングです。

このトレーニングでは、視線を素早く動かしたり、対象を目で追ったりする力と関係しています。具体的には、以下の3つの種類の眼球運動を鍛えます。

跳躍性眼球運動トレーニング

  • 跳躍性眼球運動は、視線をある点から別の点に移動させる能力です。このトレーニングにより、文章を読むときの行の読み飛ばしや、黒板の文字をノートに書き写すときの視線の移動がスムーズになります。

追従性眼球運動トレーニング

  • 追従性眼球運動は、視線をスムーズに動かす能力です。このトレーニングにより、文字をスキップしてしまう、文字がきれいに書けないなどの問題が改善されます。

両眼のチームワークトレーニング

  • 両眼のチームワークは、近くのものを見るときに両目を寄せ、遠くのものを見るときに両目を離す能力です。このトレーニングにより、ものが二重に見えたり、物との距離感がつかめない状態を改善することが期待できます。

視空間認知トレーニング

視空間認知トレーニングは、見たものの形や色、距離感を正しく認識するためのトレーニングです。

このトレーニングでは、以下のようなスキル向上と関係しています。

対象物と背景を区別する

  • 見たい対象だけをしっかりと認識できるようになります。例えば、街中で信号機を見て反応できるのは、対象物である「信号機」と背景の「街の風景」を区別できているからです。

形や色を把握する

  • 図形問題や塗り絵に取り組みやすくなります。また、フォントや大きさが違っても「同じ文字」だと認識できるようになるため、文字の形を覚えるのが苦手な場合に効果的です。

対象物との距離や大きさを認識する

  • 物を立体的に把握する力が向上し、人や物にぶつかってしまう、球技が苦手といった問題が改善されます。

眼と体のチームワークトレーニング

眼と体のチームワークトレーニングは、目で見た情報に合わせて体を動かす能力を鍛えるトレーニングです。

このトレーニングでは、以下のような方法があります。

数字探し

  • ラミネートされた紙にランダムに書かれた数字を頭を動かさずに目だけで追うトレーニングです。これにより、視線の移動と手の動きと関係しており、連携能力が向上します。

じゃんけん体操

  • お題に対してじゃんけんで「あいこ」や「勝つ」など、視覚情報を取得して即座に対処するトレーニングです。これにより、目で見た情報を素早く処理し、体を動かす力が向上します。

球技

  • 視覚情報を必要とする球技を行うトレーニングです。例えば、サッカーやバスケットボールなどが効果的で、視覚情報や空間認知力を必要とする運動を通じて、眼と体の協応力を鍛えます。

発達障害のある方にとって、ビジョントレーニングは、日常生活や学習、スポーツでの困難を軽減するのに役立つトレーニングです。

眼球運動、視空間認知、眼と体のチームワークの3つの主要な視覚機能を鍛えることで、発達障害のある方のさまざまな困難を克服することが期待できます。

ビジョントレーニングの発達障害への効果

ビジョントレーニングは、発達障害のある方々の視覚機能の向上に効果的なトレーニングとして注目されています。

このトレーニングは、目の動きや視覚情報の処理、そして体の動きと視覚の協調など、視覚機能全般を鍛えることで、発達障害のある方が直面するさまざまな困難を軽減するのに関係しています。

集中力アップに効果がある

ビジョントレーニングは、集中力の向上にも関係があります。

特に発達障害の中でも注意欠陥多動性障害(ADHD)など、集中力の持続に課題のある方にとって、ビジョントレーニングは視覚を通じて集中力を高める有効な手段とされています。

ビジョントレーニングでは、眼球運動や視空間認知などの視覚機能を鍛えることで、目で見た情報を適切に処理し、集中して取り組む力を養うことができます。例えば、視線を素早く動かす「跳躍性眼球運動」のトレーニングを通じて、視覚情報を迅速に捉え、次の情報に集中する力が向上します。

また、ビジョントレーニングの一環で行われる「周辺視野」のトレーニングは、視野の広がりを鍛え、集中しながら周囲の情報も把握する力を養います。これにより、ADHDのある方の注意散漫な状態が改善され、より集中しやすくなるという効果が期待されます。

読み書きする力が向上する

ビジョントレーニングは、読み書きの能力を向上させる関係もあります。

発達障害の中でも、学習障害(LD)や限局性学習症のある方々は、文字を読む力や書く力に困難を抱えることが多いです。このような方々にとって、ビジョントレーニングは視覚機能を強化し、読み書きの能力を向上させるための有用なトレーニングです。

ビジョントレーニングでは、眼球運動を鍛えることで、文字を追う力や視線を動かす力を向上させます。例えば、黒板の文字をノートに書き写す際に、眼球運動の力が向上すると、視線の位置を正確に移動させることができるようになります。また、視空間認知のトレーニングを通じて、文字の形や位置を正確に把握する力も向上します。

運動機能が上がる

ビジョントレーニングは、運動機能の向上にも関係があります。

発達障害のある方の中には、体を動かすのが苦手だったり、協調運動が難しかったりする方がいます。ビジョントレーニングでは、目で見た情報と体の動きを協調させる能力を鍛えることで、運動機能を向上させることができます。

例えば、ビジョントレーニングでは、目と手の協応動作を鍛えるために、お手玉やボールを使ったトレーニングが行われます。このトレーニングにより、目で見た情報をもとに、手や体を正確に動かす力が向上します。また、視空間認知のトレーニングを通じて、空間の中での体の位置や動きを把握する力も向上し、運動能力の向上につながります。

ビジョントレーニングが受けられる施設

ビジョントレーニングは、「見る」力を高めるためのトレーニングで、視覚に関する困難を抱える方々にとって有用な手法です。

トレーニングは、以下のような施設で受けることができます。

療育施設

療育施設は、発達障害のある子供たちの支援を目的とした施設で、ビジョントレーニングも実施されています。療育施設では、専門のスタッフが個別に適したプログラムを提供し、視覚機能の向上をサポートしています。

療育施設では、視覚機能に課題のある子供たちに対して、視覚認知のトレーニングや眼球運動のトレーニングなど、子供のニーズに合わせたプログラムを提供しています。また、療育施設では、子供の成長や変化に合わせてトレーニングの内容を調整していくため、効果的なサポートが期待できます。

ビジョントレーニングは、視覚機能の向上や、集中力の持続、運動能力の向上などに効果があるとされています。療育施設では、こうした効果を引き出すために、子供一人ひとりに合わせたプログラムを提供し、視覚に関する困難を軽減します。

スポーツジム

スポーツジムでは、視覚機能の向上を目的としたトレーニングが提供されています。特に、スポーツにおいて視覚機能が重要な役割を果たすため、アスリートのパフォーマンス向上を目的としたビジョントレーニングが行われています。

スポーツジムでのビジョントレーニングは、眼球運動のトレーニングや視空間認知のトレーニング、反応速度のトレーニングなど、スポーツに必要な視覚機能を鍛えるためのプログラムが用意されています。これにより、アスリートは視覚機能を強化し、競技でのパフォーマンスを向上させることが期待できます。

スポーツジムでのビジョントレーニングは、スポーツでのパフォーマンス向上だけでなく、日常生活における視覚機能の向上にも効果があります。視覚機能の向上は、集中力の向上や手と目の協調の改善など、多くの効果が期待されます。

トレーニングセンター

トレーニングセンターでは、視覚機能に特化した専門的なトレーニングが提供されています。視覚に関する困難を抱える方や、視覚機能を向上させたい方が通う施設で、専門家の指導のもとでビジョントレーニングが行われます。

トレーニングセンターでは、視覚機能の評価からトレーニングのプログラム作成まで、専門的なサポートが提供されます。眼球運動、視空間認知、目と体の協調など、視覚機能全般にわたるトレーニングが可能です。また、視覚機能に関する困難を抱える方に対して、個別に適したサポートが行われます。

トレーニングセンターでのビジョントレーニングは、視覚機能の向上や、それに伴う学習能力や運動能力の向上に効果的です。専門的な指導のもとで行われるため、個々のニーズに合わせた効果的なトレーニングが期待されます。

ビジョントレーニングは視覚機能を向上させる

ビジョントレーニングは、視覚機能を向上させるための効果的な手法であり、発達障害のある方々にとって有益なトレーニングです。視覚機能は、「見る」ことに関連する能力全般を指し、眼球運動、視空間認知、目と体の協応など、さまざまな要素で構成されています。

ビジョントレーニングを通じて、これらの機能を強化することで、日常生活や学習、スポーツなどでの困難を軽減し、生活の質を向上させることが期待できます。

ビジョントレーニングは、個人のニーズに合わせて行うことができ、専門の施設やプログラムを通じて、適切なトレーニングを受けることが可能です。療育施設やスポーツジム、トレーニングセンターなどで提供されており、専門家の指導のもとで視覚機能の改善を目指せます。

このように、ビジョントレーニングは、視覚機能を高め、発達障害のある方々をはじめ、視覚に関する課題のある人々の生活をより良くするための有用なトレーニングです。視覚機能の向上により、日常生活での困難を軽減し、より充実した生活を送るためのサポートとして、ビジョントレーニングの活用が重要です。

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鈴木コメイチ
ライター

鈴木コメイチ

働き方、福祉、スポーツの記事を中心に執筆しているWebライターです。リサーチの経験を活かして世の中のライフスタイルを分析し、障がいのある方々の生活や仕事に役立つ記事を心を込めて執筆しています。一人でも多くの方のヒントになれれば幸いです。

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