学習障害(LD)の方に向いている仕事は?選び方のポイントやおすすめのサービスを紹介!
記事の目次
- 1学習障害(LD)とは
- 1.1学習障害の方の特徴
- 1.2学習障害の方の仕事の悩みは?
- 2学習障害の方が仕事をするための対策
- 2.1①自己理解を深める
- 2.2②パソコンや電卓などの電子機器を使用する
- 2.3③苦手な仕事は他の人に依頼する
- 2.4④障害者雇用枠で入社する
- 3学習障害の方の仕事の選び方
- 3.1過去に経験のある仕事を選ぶ
- 4学習障害の方におすすめの仕事
- 4.1視覚による把握が得意な方
- 4.2論理的思考力に自信がある方
- 5学習障害の方に向かない仕事
- 5.1学習障害によってお困りなことから逃れることが難しい仕事
- 6学習障害の方におすすめの就労支援サービス
- 6.1ハローワーク
- 6.2障害者特化型の転職エージェント
- 6.3地域障害者職業センター
- 6.4就労移行支援事業所
- 7学習障害の方が就職を成功させるためのコツ
- 7.1公的支援を利用する
- 7.2仕事の選択肢を増やす
- 8学習障害の方は自分に合った仕事を見つけよう!
学習障害(LD)の方にとって、就職に対する壁をなかなか超えられないと感じている人もいるでしょう。
生活の基盤をつくりあげるためにも仕事をすることは重要ですが、周囲の協力や理解が得られるような環境に身を置くことを最優先に考えなければなりません。
仕事に対する国のサポートとして、障害者雇用枠の設置や就労支援の存在が挙げられますが、そもそも自分が実際どのような職種に合っているのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、障害学習の人におすすめの仕事や向いている職種の選び方、活用できる就労支援サービスなどについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
学習障害(LD)とは
学習障害(LD)とは、「読む」「書く」「計算する」などの特定の能力に困難を生じる障害です。
同じく神経発達症(発達障害など)に属している知的障害との違いは、全般的な発達の遅延が無い点にあります。
ここでは、学習障害の方の特徴や悩みについて解説しています。
学習障害の方の特徴
・知的能力障害
・視力・聴力などの機能的な障害
・正規の教育を受ける機会の不足
などの要因が見当たらないにも関わらず、 特定的かつ持続的に下記の困難が生じる障害です。
特徴
- ディスレクシア(読字障害):「文字を読むことに困難を感じる学習障害」のことです。
文字の読み方・形を認識することが難しいことが特性にあげられます。
例えば、ひらがなの類似語「あ」と「め」を認識することができず、文章を読んでいる際に読み飛ばしてしまうなどの症状が起こります。 - ディスグラフィア(書字表出障害):「文字を書くことに困難を感じる学習障害」のことです。
文字の形が認識しづらく、視覚から得る情報処理の難しさが特性にあげられます。
決められた枠の中に文字を書くことが苦手であったり、書き間違えを頻繁に起こしてしまいます。 - ディスカリキュリア(算数障害):「算数・計算、その場にないものを推論することに困難を感じる学習障害」のことです。
算数の九九がなかなか覚えられなかったり、四捨五入がわからないなど、数字にまつわる概念の理解が苦手と感じる症状があります。
これらのうち、1つのみのこともあれば、全てが現れることもあります。
成長に伴って現れる、「声を出すこと」「体を動かすこと」とは対照的に、 上記技能は、教えられ学ばなければ習得できないことであるのが共通している特徴です。
これらの性質から、学齢期付近で顕在化することが多く、 学齢期の子供では5~15%、成人では4%と言われていますが、 その特性上、周囲からの理解が得られにくく、一般知名度も高くないため、 当事者や周囲が学習障害の可能性を考慮せず、単に「勉強嫌い」「やる気がない」と認識し続けそのまま大人になることも多いと言われています。
この場合、主に学校機関や職場でストレス負荷が高い状態が続くこととなり、依存症・引きこもり・非行などが引き起こされることがあります。
学習障害の方の仕事の悩みは?
学習障害の方は、仕事において数多くの悩みを抱えています。
具体的な悩みとしては下記です。
- 資料に書いてある内容の理解ができない
- お金の計算で混乱する
- 業務日報で何を書いたらよいのか分からない
- 仕事がこなせずよく叱られる
- 仕事中の会議でメモを取ることができない
- 業務報告における資料から上手く物事を伝えることができない
これらの理由により職場では周囲の理解や協力が得られないケースも多く、辛い思いや孤立することにより、離職に繋がったり場合によっては二次障害へと繋がる場合もあります。
こんなお悩みはありませんか?
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学習障害の方が仕事をするための対策
学習障害(LD)の方が仕事で苦労する場面は、それぞれの症状によって異なってきます。
例えば就業中においては、「仕事の資料を正確に読むことができない」のような困難が生じる可能性があります。
その場合は、下記のような対策が考えられます。
- 資料の中のすでに読み込んだ部分はマーカーで線を引いておく
- 自分が読みやすい文字のフォントに調整する
ここでは、学習障害の方に生じることの多い困難の対策方法について詳しく解説します。
①自己理解を深める
学習障害の方が長くはたらき続けるためには、まずは自分の障害についてしっかりと理解することが重要です。その上で、自分のできる仕事と周囲の配慮が必要なことを職場に伝えるようにしましょう。
周囲からのマイナスな言動に対して敏感という方も多く、同僚や上司、知人からの些細な注意が心に突き刺さり仕事に影響する可能性もあります。
そのためにも、障害に関して周囲に理解しておいて頂くことは非常に重要です。
その際、一方的な要望とならないよう、企業側と本人が双方向でコミュニケーションを取りながら伝えることが大切です。安心して伝えられる環境づくりを、本人と職場の双方が意識できるとよいと思います。
困ったときに相談できるよう、誰に相談すれば良いかを予め確認しておいたり、人事や産業保健師ともコミュニケーションが取れるとさらによいです。
さまざまな精神的ストレスから、二次的に抑うつや不安といった精神症状が現れて働けなくなるケースもあるかもしれません。そういった状態を避けるために、工夫をこらしながら業務に向き合うことが大切になります。
②パソコンや電卓などの電子機器を使用する
基本的に読み書きや計算が苦手な学習障害の方が仕事で使えるツールとして、パソコンやスマートフォンや電卓などの電子機器が挙げられます。
自分の苦手なことに対処できるよう、さまざまなツールを活用するのも一つでしょう。また、上司や同僚、同じ学習障害の方からツールやノウハウを共有してもらうのもおすすめです。
今は書籍やYouTubeなどで同じ学習障害の方が実体験を発信されていらっしゃいます。
また、自動音声の読み上げや音声入力の機能も活用すると自分の苦手な領域を補うことができスムーズに仕事をこなせます。
今は、学習障害の困りごとを解決できるようなアプリも多くあり、それらを調べて導入してみるのも良いでしょう。
③苦手な仕事は他の人に依頼する
文字の読み書きや数字の計算が苦手なところも学習障害の方がもつ特性のため、苦手な仕事は他の人に依頼することも上手に仕事をするための対策の1つです。
人間関係や環境を構築しておき、周囲の協力を得ながら苦手分野で精神的に消耗しないよう工夫していきましょう。
また、自分の特徴や困難を普段から率直に伝えることで周囲の理解が深まり、気軽に助けを求められるような人間関係の構築に役立つでしょう。
④障害者雇用枠で入社する
企業の障害者雇用枠で入社すれば、学習障害の困りごとについて、合理的配慮を受けることができます。
障害者雇用枠とは、企業が障害者を対象として設けている国で定められている採用枠のことで、企業ごとに一定の割合で障害者雇用を行うことが定められています。
障害者雇用枠では、企業と雇用者でどのような合理的配慮を行えばいいのか相互検討を行った後、双方の同意後に合理的配慮を受けながら働くこととなり、周囲の理解を得やすく働きやすくなります。
例えば、新しいマニュアルを渡されたときに理解するための時間を長くとってもらうこと等が合理的配慮として考えられます。
また、障害者雇用を利用するためには、障害者手帳が必要になります。
障害者手帳には下記の種類があり、
- 身体障害のある方は「身体障害者手帳」
- 知的障害のある方は「療育手帳」
- 精神障害のある方は「精神障害者保健福祉手帳」
のいずれかが必要になります。
障害者雇用の中で体調の安定化や自信を取り戻すことにより、再度一般枠での雇用を目指すことができるので、仕事を無理なく長く続けるためにも、一般雇用枠ではなくまずは障害者雇用枠を選択することを考慮に入れて頂くのもおすすめです。
学習障害の方の仕事の選び方
自分の長所を活かせる仕事を見つけていくことが、学習障害(LD)の方にとっても就職後に長続きする秘訣です。
ここでは、学習障害の方におすすめする仕事の選び方について解説しています。
過去に経験のある仕事を選ぶ
学習障害の方は障害の特性上、新しいことを習得するのに困難が生じてしまう場合が多いです。
もちろん学習障害の方が全員上記のような特性を持っている訳ではありませんが、できれば過去に経験したことがあり既に知見のある仕事を選ぶと良いでしょう。
学習障害の方におすすめの仕事
学習障害(LD)の方におすすめの仕事を紹介していきます。
何が得意で何が不得意なのかを意識しながら仕事探しをすることで、自信を持って働けるでしょう。各特徴ごとにあげていくので、是非参考にしてみてください。
視覚による把握が得意な方
学習障害のある方の中でも、視覚で物事を把握するのが得意な特徴がある方には、以下の仕事がおすすめです。
- イラストレーター
- Webデザイナー
- カメラマン
- 料理人
視覚的な芸術力や感受性に長けている方は、カメラマンで才能が発揮できるかもしれません。
また、料理人では魅力的な料理の盛り付けや装飾をする力が必要になり、料理で感性を表現したいという学習障害の方におすすめできる仕事の1つです。
論理的思考力に自信がある方
学習障害の方には、論理的思考力が高い傾向があります。
そのような方々は下記のような仕事もおすすめです。
- ITエンジニア
- 製造業
また、製造業は決められたルーティンで業務をしていく中でも、製造プロセスや品質管理なども考慮し論理的思考を織り交ぜながら業務を行う場合もあるので、学習障害の方の得意を活かせる可能性があります。
学習障害の方に向かない仕事
学習障害(LD)の方に向いている仕事の特徴を理解できたところで、次はおすすめできない仕事についてもみていきます。
ここで紹介するような仕事はあくまで例に過ぎず、職場環境や自分自身の努力によって、仕事に就くことは十分可能なので参考程度に留めておきましょう。
学習障害によってお困りなことから逃れることが難しい仕事
学習障害の方の症状はそれぞれ異なるとさきほど述べましたが、
例えば、「計算する」ということに苦手さを感じる学習障害の方が、経理などのお金を扱う仕事に就いたらどうでしょう。
電卓などの補助ツールを用いることもできますが、それでも負担に感じられることは多いと思います。
そのため、
- ディスレクシア(識字障害)でお困りであれば、メールでのやりとりが多く発生するような事務系の職種。
- ディスグラフィア(書字表出障害)の場合には、報告書をきっちりと出さないといけないような職種。
- ディスカリキュア(算数障害)の方であれば、前述のような経理やレジ打ちのようなお金を使う仕事。
学習障害の方におすすめの就労支援サービス
国や自治体、民間企業が主体となって運用されている就労支援サービスもいくつか存在し、学習障害(LD)の方も活用できます。
ここでは、学習障害の方におすすめの就労支援サービスを紹介しています。
ハローワーク
ハローワークは、就職活動されている方、求人を出している企業の両方を対象にしている、雇用に関する公的な機関です。
この中には学習障害でお困りな方も含まれており、障害のある方向けの窓口や、障害についての専門知識を有するトータルサポーターが在籍していることもあり、悩みに対して親身になって相談にのってくれます。
障害者雇用をしたい企業も求人募集しているので、まずは求職申込手続きを行うのがハローワークでの就職活動の第一歩です。
障害者特化型の転職エージェント
障害者特化型の転職エージェントも、学習障害の方におすすめする就労支援サービスの1つです。
障害者特化型の転職エージェントでは、障害の特性を理解してその人にマッチする仕事を探すためのサポートをしてくれます。
また、一般的な転職エージェントとは異なり、障害に対する理解があり雇用後のサポート体制も充実している企業との繋がりを持っているので、自分に合った働きやすい職場環境を提案してくれます。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、47都道府県すべてに一箇所ずつ設置されており、障害のある方に向けた就労・職場復帰のための支援を行っています。
ハローワークと協力して、就職に向けての相談や職業能力等の評価、職場に適応するための支援まで行っているので、その人の就労状況に応じた適切なサポートを受けられます。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、一般就労を目指される方を対象とし就職のサポート及び就労後の定着支援を行っています。
就職のサポートに特化している事業所だからこそ、サービス内容は幅広く下記のようなサポートをしております。
- 就労に関する幅広い相談
- 体調や生活リズムを整えるためのサポート
- 通院同行
- 就労に必要な知識・スキル獲得のためのサポート
- 職場開拓や職場見学の機会の提供
- 応募書類の作成のお手伝い
- その他関係機関との調整役
学習障害の方が就職を成功させるためのコツ
読み書きや計算に対して苦手意識のある学習障害(LD)の特徴があっても、就職は自分次第で十分目指すことができます。
ここでは、学習障害の方が就職活動を成功に導くためのコツを紹介しています。
公的支援を利用する
「おすすめの就労支援サービス」でも紹介した通り、現在の日本では障害者への就労サポートを目的に下記のような様々な公的支援が施されています。
- ハローワーク
- 障害者特化型の転職エージェント
- 地域障害者職業センター
- 就労移行支援事業所
仕事の選択肢を増やす
読み書きや計算に対して苦手意識が働き、仕事の選択肢を自分で狭めてしまう学習障害の方もいます。
得意なこと不得意なことを自己理解し、不得意なことについても負担少なくやる方法などを探ることで、仕事の選択肢を増やすことは十分可能ですし、生涯において重要な課題です。
そのためには、自分や自分の過去と向き合う必要や、会社の求めていることについて知っていく必要も出てくるかもしれませんが、意欲的に挑戦することは就職成功に繋がる行動だといえます。
学習障害の方は自分に合った仕事を見つけよう!
今回は、学習障害(LD)の方が向いている仕事や自分に合った職種の選び方、いくつかの就労支援サービスなどについて解説してきました。
周囲とのコミュニケーションが得意だったり発想力が豊かな方もいる一方で、読み書きや計算に対して苦手意識を持ってしまう学習障害ですが、仕事が長続きするためにも職場の人や家族の協力と理解が必要です。
就職を成功させるためにも、周囲からの協力や国の制度なども活用しながら自分に合った仕事を見つけましょう。
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【監修者】山本悠紀
公認心理師(国家資格)・社会福祉主事任用資格・訪問型ジョブコーチ 専門性を活かして、障害福祉事業の領域で豊富な経験を持つ。