ADHDの方は遅刻グセがある?時間に遅れないための対策を徹底解説!
記事の目次
- 1ADHDとは
- 1.1ADHDの特徴や症状
- 1.2ADHDと他の発達障害との違い
- 2ADHDの方の遅刻するときのパターン
- 2.1別のことに集中しすぎている
- 2.2時間の見積もりが苦手
- 2.3待ち合わせ場所・時間についての計画が苦手
- 2.4寝坊する
- 3ADHDの方におすすめの遅刻しないための対策
- 3.1作業ごとにアラームを設定する
- 3.2事前に場所をチェックする
- 3.3決めた場所にものを置く
- 3.4目覚ましを早く・複数回設定する
- 3.5前倒しで行動できる準備をする
- 4ADHDの方が遅刻しないための対策を立てる際に重要なこと
- 4.1ルーティンを決める
- 4.2前日にできることをしておく
- 4.3家族や友人に協力してもらう
- 5ADHDに関する相談先
- 5.1地域障害者職業センター
- 5.2発達障害者支援センター
- 5.3就労移行支援事業所
- 6ADHDや遅刻グセに悩む人は専門家に相談しよう
何度も仕事に遅刻してしまう「遅刻グセ」は、ADHDの方にとって大きな悩みの一つかもしれません。
遅刻が続くと、仕事での信頼性やパフォーマンスに影響が出るでしょう。
しかし、遅刻の原因を理解し、適切な対策を取れば、遅刻は減らせます。
この記事では、ADHDの方が遅刻をしてしまう原因と対策について解説します。
また、ADHDに関する相談窓口や支援機関もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
ADHDとは
ADHDとは「Attention Deficit Hyperactivity Disorder」の略で、日本語では「注意欠如・多動性障害」と訳されます。
ADHDの有病率は、学齢期の子どもで3~7%ほどです。
しかし、子どもの頃に特性を見過ごされ、大人になってからADHDが発覚するケースもあります。
ADHDのある方は、集中力を維持したり、計画的に行動したりするのが苦手な傾向にあります。
したがって、遅刻を繰り返してしまう方が多いのです。
ADHDの特徴や症状
ADHDの特徴として「不注意」と「多動・衝動性」が挙げられます。
「不注意」とは、活動に集中出来なかったり、気が散りやすかったりする特性を指します。
したがって、細かい注意を必要とする作業や、長時間の集中を要するタスクを苦手とする方が多いでしょう。
さらに、不注意の特性がある方は、物をなくしやすかったり、順序立てて考えたりするのも苦手な傾向にあります。
ADHDのもう一つの特徴である「多動・衝動性」とは、落ち着きがなかったり、後先を考えずに行動や発言をしたりする特性です。
人によっては「じっとしていることが難しい」という方も見られるでしょう。
上記の特徴が組み合わさった結果、遅刻を繰り返してしまい、仕事での信頼を失う可能性もあります。
ADHDと他の発達障害との違い
ADHDは、他の発達障害と混同されがちですが、それぞれには明確な違いがあります。
ここからは、自閉症スペクトラム障害(ASD)や学習障害(LD)との違いを見てみましょう。
ASDは、コミュニケーションが苦手だったり、特定の物事にこだわりがあったりします。
また、人によっては感覚過敏があり、大きな音やまぶしい光、服の感触が苦手な方もいます。
LDは、読み書きや計算など、特定の学習スキルの習得が難しい障がいです。
具体的には、文字が読めなかったり、計算ミスを頻発したりなどの困りごとが発生するでしょう。
ADHDは、ASDやLDと同じ「発達障害」として分類されます。
しかし、それぞれ特徴が異なるため、障害に応じた支援が必要です。
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ADHDの方の遅刻するときのパターン
ADHDの方が遅刻を繰り返す背景には、いくつかの原因があります。
具体的には、以下のパターンが考えられます。
- 別のことに集中しすぎている
- 時間の見積もりが苦手
- 待ち合わせ場所・時間についての計画が苦手
- 寝坊する
上記のパターンを理解すると、遅刻を減らすための対策を考えられるでしょう。
別のことに集中しすぎている
ADHDの方は、興味・関心を持ったことに深く没頭しやすい傾向があります。
この特徴を「過集中」といいます。
過集中の状態に入ると、一つの物事に囚われ、時間の経過に気づきにくくなるでしょう。
例えば「出勤準備をしている最中に別のことに気を取られ、ふと時計を見ると始業時間を過ぎている」といったことも起こりえます。
過集中の傾向がある方は、時間の経過に気づけずに遅刻してしまうパターンがあります。
時間の見積もりが苦手
ADHDの方は、時間の見積もりが苦手な方が多いです。
その理由は、ADHDの特徴である「実行機能の弱さ」にあります。
実行機能とは「目標達成に向けて計画を立て、計画を実行に移すために感情や行動をコントロールする脳機能」です。
ADHDの方は、生まれつき実行機能が弱いため、所要時間の逆算が苦手な傾向にあります。
例えば、家を出る準備に「10分で済む」と見積もったものの、実際には30分以上かかってしまうケースもあるでしょう。
ADHDの方は、時間の見積もりが苦手なことが原因で、仕事に遅刻しやすいのです。
待ち合わせ場所・時間についての計画が苦手
ADHDの方は、待ち合わせ場所・時間の計画を立てるのが苦手で、遅刻してし まう場合 もあります。
このパターンは 、先述した実行機能の苦手さに加えて、衝動性や不注意の特徴が原因です。
衝動性が強い場合、集合場所しか確認せず、当日に慌ててルートを検索し 、想定以上に時間がかかって遅刻するケースが考えられます。
不注意が強い場合は、集合場所を勘違 いしたり、乗る 電車を間違えたりして、 遅刻 する ケースがありえます。
寝坊する
ADHDの方は、睡眠障害をともなう場合も多く、寝坊が原因で遅刻するパターンもあります。
実際に、ADHDと診断された成人のうち36.1%の方が、不眠で病院を受診しています。
仮に睡眠障害を併発していなくとも、夜更かしをしてしまったり、眠りが浅かったりすると、早起きするのが難しくなるでしょう。
特に先述した「過集中」の傾向がある場合、夜遅くまでスマートフォンを使って作業に没頭し、寝るのが遅くなってしまいます。
ADHDと睡眠障害は関係性が深く、朝寝坊して遅刻してしまうパターンもあります。
ADHDの方におすすめの遅刻しないための対策
ADHDの方にとって、時間管理はかなり重要な課題です。
しかし、以下の対策をとると、遅刻のリスクを減らせるでしょう。
- ルーティンを決める
- 前日にできることをしておく
- 家族や友人に協力してもらう
作業ごとにアラームを設定する
ADHDの方は、時間配分や見積もりが難しい傾向にあります。
対策として、作業ごとにアラームを設定すると、時間を意識しやすくなるでしょう。
具体的には、以下のようにアラームを設定するのをおすすめします。
- 7:00 起きる
- 7:05 顔を洗う
- 7:10 朝食の準備をする
- 7:15 朝食を食べる
- 7:25 歯磨きをする
- 7:30 仕事の服装に着替える
- 7:50 家を出る
上記のように、予定している作業を始めるまえにアラームをセットし、作業を終える時間を設定します。
アラームが鳴ったら、次の作業に移るようにしましょう。
アラームを使って作業時間を明確に区切ると、時間配分がしやすくなり、遅刻を防げます。
事前に場所をチェックする
ADHDの方は、集合場所を正しく把握し、移動時間を逆算するのが難しい場合があります。
そのため、予定している場所に行くまえに、事前に場所をチェックしておきましょう。
例えば、会議や面接の場所に行くまえに地図を確認したり、ルートを調べたりすると、迷わずに目的地にたどり着けます。
時間に余裕がある場合は、実際に集合場所に行ってみるのもよいでしょう。
事前に場所をチェックすると、当日に集合場所がわからずに遅刻するリスクを減らせます。
決めた場所にものを置く
ADHDの方は、片付けや整理整頓が苦手な方も多いです。
必要なものをすぐに見つられず、探すのに時間がかかってしまう場合もあります。
探す時間をできるだけ短くするには、あらかじめ決めた場所にものを置きましょう。
例えば、出勤前日に必要な書類やカバンをまとめて1ヵ所に置いておくと、家を出るまえにすぐ見つけられます。
決まった場所にものを置くと、探す時間を減らせるため、遅刻の防止になります。
目覚ましを早く・複数回設定する
ADHDの方のなかには、起床時間に起きられない方もいます。
この場合、目覚ましを起床時刻よりも早くセットしておきましょう。
一度の目覚ましでは起きられない方は、アラームを複数回セットするのもおすすめです。
アラームを早く、複数回に分けて設定すると、時間に余裕を持って起床できるため、寝坊による遅刻を防げます。
前倒しで行動できる準備をする
ADHDの方は、予定の時間ギリギリに行動することが多いため、遅刻してしまう場合があります。
対策として、前倒しで行動できる準備をしましょう。
とはいえ、いくら前倒しで準備しても、うっかりミスを0にするのは難しいです。
以下の記事では、ADHDの方が向いている職業や仕事をするうえで気をつけるポイントを紹介しているので、ぜひご参考にしてください。
ADHDの方が遅刻しないための対策を立てる際に重要なこと
ADHDの方が遅刻しないためには、下記の重要なポイントを押さえて対策を立てる必要があります。
- ルーティンを決める
- 前日にできることをしておく
- 家族や友人に協力してもらう
ルーティンを決める
ADHDの方は、日常生活においてルーティン(日課)を決めるとよいでしょう。
特に通勤においては、毎日同じ時間・場所に行くので、行動を習慣化するのをおすすめします。
ルーティンにできる行動の例としては、以下のものが挙げられます。
- 起きる時間
- 朝食をとる時間
- 着替える時間
- 家を出る時間
また、仕事に持っていくカバンは、毎日決まったものを使いましょう。
カバンを日によって変えると、忘れものをなくしものをしてしまう可能性があるからです。
メイクをする方は、あらかじめメイクのパターンを決めておくとよいでしょう。
ルーティンを作ると、迷う要素をかなり減らせるため「いつのまにか時間が過ぎていた」という事態を防げます。
前日にできることをしておく
ADHDの方が時間に遅れないためには、前日にできる準備をしておきましょう。
やるべきことを事前に済ませておくと、朝の準備に余裕を持てるからです。
例えば、前日に必要なものを準備をしたり、着る服を用意したりなどが挙げられます。
また、先述したとおり、前日に集合場所やルートを確認しておくと、当日に迷わずスムーズに移動できます。
家族や友人に協力してもらう
ADHDの方が遅刻しないためには、できるだけ家族や友人に協力してもらいましょう。
特に朝から大事な会議がある日や、出張で飛行機や新幹線に乗る日などは、いつも以上に遅刻を避けなければなりません。
このような特別な日に関しては、家族や友人に協力してもらい、声かけや電話を依頼するとよいでしょう。
ADHDの方が遅刻しないためには、本人の努力も必要ですが、家族や友人に協力してもらうと、遅刻のリスクをより減らせます。
ADHDの方向けのスケジュール・タスク管理術は下記の記事で詳しく説明してますので、ぜひ読んでみてください。
ADHDに関する相談先
ADHDの方が抱える仕事上の課題は、遅刻グセだけではありません。
仕事の納期が守れなかったり、大事な書類や会議をうっかり忘れてしまったりなど、さまざまな問題が起こりえます。
ADHDによって「仕事でミスばかりしてしまう」「遅刻グセが治らない」とお悩みの方は、以下の機関に相談しましょう。
- 地域障害者職業センター
- 発達障害者支援センター
- 就労移行支援事業所
以下より、各機関の支援内容について解説します。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障がいのある方に対して、就労に関する専門的な支援や訓練を行っている機関です。
センターでは、職員との面談・検査を通して支援計画を作成し、計画に沿って支援をします。
就職したあとも、就職先にセンターの職員を派遣し、本人と事業主に対して、相談支援や助言を行います。
また、必要に応じて「ジョブコーチ」と呼ばれる職員を派遣し、障害特性を踏まえた専門的な支援を実施してくれるでしょう。
地域障害者職業センターは、47都道府県すべてに設置されており、ハローワークと協力しながら支援を行っています。
お近くのセンターの所在地・お問い合わせ先は、以下のサイトをご覧ください。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターとは、発達障害のある方やご家族に対し、相談支援を行っている機関です。
すでにADHDと診断された方だけでなく「ADHDかもしれない」という方も利用できます。
発達障害者支援センターは、発達障害に関する総合的な支援を行う機関のため、さまざまな内容の相談に対応してくれます。
遅刻グセを含め、仕事で何か困っていることがあれば、センターの職員に相談してみましょう。
全国の発達障害者支援センターの所在地は、以下のサイトでご確認ください。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障がいのある方が一般企業への就労をめざすための支援や訓練を行っています。
就労移行支援事業所では、就労に必要なスキルやマナーを学べます。
そのため、遅刻グセへの具体的な対策について、スタッフと一緒に考えられるでしょう。
就労移行支援事業所を利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
受給者証を発行してもらうには、市区町村役場にて申請手続きを行いましょう。
申請手続きの方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
ADHDや遅刻グセに悩む人は専門家に相談しよう
この記事では、ADHDの方が遅刻を繰り返してしまう原因と対策を紹介しました。
作業ごとにアラームをかけたり、決めた場所にものを置いたりすると、時間整理がしやすくなるかもしれません。
しかし、ADHDの遅刻グセは、自身の努力だけではなかなか改善が難しい場合もあります。
対策しても遅刻グセが治らない場合は、精神科医や精神保健福祉士などの専門家に相談しましょう。
専門家に相談すると、一緒に遅刻グセへの対策を考えてくれます。
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